移住準備編① わからずや姉ちゃんにならないために~「若年無業者」について
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約1か月後に石垣島に2か月間のミニ移住をするわけですが、
仕事を辞める上で必要なもろもろ手続きや荷造りのほかに、準備しておきたいことがあります。
それは学校に行けなくなった弟の気持ちを少しでも想像しておくこと。
もちろん、生まれた時からかわいがっている弟とはいえ、自我を持ったひとりの人間。
ある年齢までは私と似たような環境で育ちながら、
全く違う人生、まったく違う時代を16年間生きてきました。
彼がこれまでに感じてきた様々なことを、すべて分かってあげられるわけがありません。
だからこそ石垣島に行ってゆっくりと向き合う時間を得た時、
「とんだお門違い」なことは絶対してはいけないと思っています。
10代前半にして同級生が歩んでいく基本的なレールからはずれ、
双子の兄が毎日元気に高校に通うのを見送り、
大好きな母が自分のために多くの時間と気力を割くのを見続けているまじめでやさしい弟が、
自分を責めていないわけがないのです。
思い込みで私の価値観を押し付けたり、怯えているのにいくら口で「怖くないよ」とい言ったりしたってしょうがない。
姉ちゃんはわかってくれている、これからもぜったいに味方でいてくれる。
そう思わせたいのです。
「わからずや姉ちゃん」になってはいけない。
唯一の家族という味方を失わせてはいけないのです。
「若年無業者」の現状 from「無業社会」(工藤啓・西田亮介著)
・若年無業者(15~39歳)は200万人超え。15~39歳の若者の16人にひとり。
(内訳:15歳~19歳/9万人 20~24歳/17万人 25歳~29歳/18万人 30~34歳/18万人 25歳~39歳/21万人)
・求職活動をしていない、就業を希望しない理由で最も多かった回答は「病気・ケガのため」である
・若年無業者に対して「怠惰な若者たち」といった固定的で硬直的な否定的意見が圧倒的に多い。
(例:一日中ゲームやインターネットをしている、働く意欲が全くない)
・しかし若年無業者のほとんどはそうではなく、若年無業者を自己責任と切り捨てる人々と
ほとんど変わらないキャリアを送ってきた人も多い。
にもかかわらず、ちょっとした「ボタンのかけ違い」や「つまずき」で無業状態になってしまうのである。
・この本の著者も読者も、あるいはその家族も、誰しもが若年無業者になりうる可能性がある。
・日本社会では、一度無業状態になると、人間関係や社会関係資本、意欲も失ってしまいがち。
・人材育成の機会の大半を学校と企業が事実上独占しているため、
そこから外れてしまうとふたたび労働市場に戻っていくためのルートや学びの機会は多くはない。
弟だけではなく私も10月からは若年無業者。
弟は若年無業者の200万人のひとりで、15~19歳の9万人の無業者のひとりです。
母数が思った以上に多いことに驚くと同時に、
私を含め無業者に対して「ニート」「ひきこもり」などネガティブなイメージを抱く人が圧倒的に多いということは、
弟もそのような目にさらされている可能性が高いわけです。
私は、9月いっぱいで旭川の仕事をやめ、次の仕事は石垣島に行ってから現地で決めようと思っています。
つまり仕事をやめてから次の仕事が見つかるまでの間、私は20~24歳の17万人の若年無業者のひとりになるわけですね。
そして私も弟も、無業状態の中で意識して人間関係を継続していかなければ、
自己肯定感やモチベーションを失い負のループに入ってしまう可能性をはらんでいるのです。
あくまで特定の誰かのケースであっても、想像力は養える。
働くことができない若者の現状と打つべき方策の描かれた「無業社会」では、
決して幼少期の虐待や、貧困などの家庭的な特別な事情によらない無業者のケースが多く紹介されています。
自分の弟の状況を考えると同時に、私にとっても(とういうか誰にも)決して無関係ではない「若年無業者」について、
少しでも多くのケースに触れることで、想像力を養い、「よきアウトプット」に繋げられるようにしたいと思います。
事例や対策についてはまたご紹介したいと思います。