本当はね

本当はね

私はとても幸せなの

 

朝起きれば鳥の声が聞こえる

仕事に向かう元気な身体がある

お昼に仕事から帰れば耕すべき畑がある

私が眠っている間にまた成長した作物たちが生き生きしている

太陽が山に隠れるのにあわせて仕事を終える

また次の日が来るまでひとりの自由な時間を過ごす

 

遠くに、近くに、愛すべき家族がいる

様々なカタチをした命たちがあたりまえのようにまわりで息づいている

家の裏には美しい美しい畑がある 山がある

昼のセミの合唱 夜に際立つカエルの唄 のどかな山鳩の声

この上なく幸福じゃないか

 

100%幸福なんてありえないし

100%絶望なんてこともない

 

本当はね

100%じゃないけど

私は幸せなの

 

ただ

聞きたかったことを

伝えたかったことを

話したい相手を失っただけ

 

ここは私の吐き出した言葉の墓場だ

手紙にして送ることができたら

そんな言葉たちをここに埋める

 

誰かに手を伸ばし あなたに思い馳せる時

今あなたに聞きたいことがいっぱい

溢れて 溢れて

 

木々が芽吹く 月日巡る

変わらない気持ちを伝えたい

自由になる自由がある

立ち尽くす 見送りびとの影

 

思い出たちが不意に私を 乱暴に掴んで離さない

愛してます 尚も深く 降り止まぬ 真夏の通り雨

 

夢の途中で目を覚まし 瞼閉じても戻れない

さっきまであなたがいた未来 たずねて 明日へ

 

ずっと止まない止まない雨に

ずっと癒えない癒えない渇き

              by 宇多田ヒカル真夏の通り雨

 

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