月の光、雨上がり
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車に荷物を取りに外に出たら、草木の影が道に落ちていて
見上げれば満月が…
ふと思い立って、車のステレオに刺していたUSBからドビュッシーの「月の光」を流した。ずっとこうしてみたいと思っていたことがふいに叶った。
冴え冴えとした白い光。
月の光は、何物にも執着しない、さらっとした光だと思う。
熱くも冷たくもない。
厳しくも優しくもなく、すべての人をささやかに照らしてくれる。
夜空の半分以上を、ざっくりとしたうろこ雲のような雲が覆っていた。大雨を降らした雨雲が去っていくところなのだ。そのうろこの間から、星々までが垣間見えている。
草木の葉の先についた雨粒が、月の明かりに光っている。
湿度が高まって、昼間以上に緑の匂いが濃い。
月の光、明るくも暗くもないピアノ、雨の匂い、緑の匂い。
時に鳥の羽音。
今日もここは美しい夜だ。
同じ月の下にいるあなたへ。おやすみなさい。