たからもの

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仕事を増やした。毎日毎日、1か所か2か所、働きに行く。

家でのんびり、自分の時間がたっぷりある生活が好きな私が、それとは真逆のことをしている。空虚な時間を、考えなければならないことを考える時間を、少しでも埋めたい。

 

遠くの空の下にいる友達の様子をツイッターなどで見ていて思う。自分のことを誰も知らない土地に生き、全くまっさらな状態から人生をやり直せたらいいのに。そのときは今より無知でバカな人間になりたい。とほうもない夢や希望を真顔で信じられる人間になりたい。

 

でもどこか新しい土地へ行ったところで、出会ってきた人も、経験してきたことも、修正できない。この虚しさが、どこかへ行ったところで簡単になくなるとは思えない。

 

最近は気持ちのいい秋晴れの日が続いて、薄い水色の高い空の下に、真っ白な雪をまとった青い青い大雪山が、紅葉の山々の向こうに気高くそびえているのが見える。大きな両腕を広げて、おおらかにこの土地を包んでいるのが見える。

ああ、この眺め。この景色。大好きな北海道の、上川の、象徴的な景色。

どこか遠くへ行ったとしても、この景色を、私は心の底から恋しく思うだろう。

いくつもない宝物の、この景色は間違いなくそのひとつだ。

 

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