映画・ドラマ

映画『ビリー・リンの永遠の1日』~永遠に戻れない日

「永遠の1日」って、永遠のように感じる1日って意味じゃなくって、「永遠にすべてがひっくり返ってしまって元には戻らない日」のことだと思う。 30年弱しか生きていない私にすら、そんな1日は存在する。きっと多くの人が、「その日」を思い浮かべられるので…

失っても同じ星にともに暮らしている―『2001年宇宙の旅』『ベイビー・ドライバー』『イントゥ・ザ・ワイルド』

いい映画を立て続けに見ている。 今日はSFの不朽の名作と言われる『2001年宇宙の旅』。 「地球に帰る」というような表現で、人類が当たり前のように宇宙やほかの星を行き来するようになったら、国家の概念はいっそう薄まり、「みな同じ地球人」という感覚が…

映画『SPLIT(スプリット)』~「解離性同一性障害」を演じるマカヴォイの凄さ

コンテンツにしないのはもったいないと今さら気づき、映画を見た後はなるべくブログを書こうと思います。 TSUTAYAで借りようかと思ったらAmazonプライムに追加されていて早速見ました(TSUTAYAで借りたい映画があったらまずプライムにないかチェック!せっか…

ひとりである と知る ~映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』を見て

いまさらながら映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』を見た。 あの映画を見るときっと、親が死ぬときのことを、否が応でも考える。 自分の価値観や、軸みたいなものを築いた人間が、この世からいなくなる。たとえ兄弟がいても、どこか、ひと…

映画『ムーンライト』を見て~過去とは断ち切れない地続きの「現在」

「ムーンライト」は、第89回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞などを受賞したことでも昨年もっとも話題になった映画のひとつだ。 上映時は全く知らなかったが、アカデミー賞受賞のニュースと、ツタヤに大きく張り出された、青い光に照らされた黒…

アイデンティティ 映画『LION 25年目のただいま』を観て

記事タイトルにある「LION 25年目のただいま」は、5歳でインドで迷子になった少年サルーが大人になり、Google Earthを頼りに故郷と生き別れた家族を探し出す…という物語。 サルーの記憶にあるインドの小さな村での暮らしは貧しかったが、迷子になったのち幸…

ストレンジャー ~映画『クローサー』

「ストレンジャー」「Stranger」という言葉で連想するものはある? 私の場合は、ビリー・ジョエルのアルバムであり楽曲「Stranger」。 それから、大好きな映画「Closer」の中でアリスがダンに出逢ったときに言うセリフ「Hello, Stranger(ハイ、見知らぬあな…

『君の名は。』鑑賞

私はあまのじゃくなのか、世間で騒がれすぎていると自分もそのブームに乗るのが嫌で、落ち着いたころに見よう、と思ってしまう。なので、「君の名は。」も今頃鑑賞。先月くらいからDVDレンタルが始まったからね。 新海誠のアニメーションは映像の美しさに定…

恋があったこと WOWOWドラマ『私という運命について』

誰に迷惑をかけたわけでもないし うしろめたいことでもないのに 誰にも話すことができない だからこそ私の胸の中で それは静かに輝きを増し 尊さはふくらむ WOWOWドラマ『私という運命について』(原作:白石一文)に出てくる 「思い込んだら命がけ」という…

好きな映画を並べるの巻

今日は『スノーデン』と『ターミナル』を立て続けに見て、映画のすばらしさを改めて実感したので、私の愛する映画を並べてみる。 ■救いようのない現実を描く映画 『海炭市叙景』 私はとにかくリアルな物語が好きだ。うっとりするような美しい物語やファンタ…

やっぱり信じる以外に道はないのだと ~映画『怒り』

信じることで受ける傷。 疑うことで失うもの。 映画館に二度見に行って、今日はDVDで鑑賞。 どの人物が自分でもおかしくない。誰でもなり得る、誰もが通る。人との関わりの中で。 映画館で見てから、今日までの間に、「ただ自分がどう受け止めるか」で意味が…

永遠に会えないのは死んでしまうこととなにが違うのでしょう ~『初恋』

出せない手紙を、 あるいは読み手のいない手紙を、 今日も頭の中で綴る。 伝えたいこと、 聞いてほしいこと。 言葉ばかりが降り積もり続け、 あふれるたび吐きそうになる。 誕生日のちょっと前の、あの日から光が途切れた。 呑み込むしかない言葉たちを、 抱…