映画『SPLIT(スプリット)』~「解離性同一性障害」を演じるマカヴォイの凄さ
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コンテンツにしないのはもったいないと今さら気づき、映画を見た後はなるべくブログを書こうと思います。
TSUTAYAで借りようかと思ったらAmazonプライムに追加されていて早速見ました(TSUTAYAで借りたい映画があったらまずプライムにないかチェック!せっかく会費払っているのだから無料で見ない手はありません笑)。
X-MENでチャールズの青年期を演じたジェームズ・マカヴォイは、この映画「スプリット」(「split」直訳は分裂)で23人の人格を持つ解離性同一性障害者(おそらくオリジナルの人格の名前は「ケビン」)を演じます。
23人の人格の中には女性もいれば9歳の子どももいるし、理性的で知的、すべての人格の手綱を握る人格や、狂暴な人格もいます。23人すべてが登場するわけではありませんが、ひとつの身体に宿ったそれらの人格が、一瞬のうちに入れ替わるのを、そして入れ替わる間の苦痛と戸惑いの表情も含めて、見事にジェームズ・マカヴォイが演じ分けています(顔の筋肉の力の入り方や、眉で表現される穏やかさ、優しさ、凶暴さ…もう見事です。観客に5つの人格の特徴をすぐにつかませます)。
一人の俳優の七変化だけでも十分に見る価値がありますが、解離性同一性障害のいち側面を知ることができます(この映画では、幼少期に耐え難い苦しみを味わうオリジナルの人格を守るために新たな人格が生まれた…というふうに描かれています)。
また、「ビースト」と名付けられ最も狂暴で強靭な肉体(人格によって、身体能力まで変わります…!)を持つ人格の餌食にされそうになるヒロインの女の子ケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)が、なぜ同級生となじまず孤立した学生生活を送ってきたのか…そんな「影のある少女の物語」としても見ごたえがあります。
精神科医のフレッチャーが、複数の人格をコントロールしながら社会に馴染もうとする主人公を誰より理解しようとし、彼と重ねる丁寧な対話にも、学ぶものがたくさんあります。
優れた映画は、映像やセリフで多くを語りすぎない…小説でいうと「行間を読ませる」、みたいなところがあって、本当におもしろい。硬く言えば他者を想像する、思いやる力を養うことにもつながる、すばらしい体験です。
Amazonレビューには「24人目の狂暴な人格が銃も効かないモンスターになるそれだけの映画」みたいな残念なコメントもついてますが、頭悪いんじゃないのかな…
…おっと口がすべった笑
ホラー苦手な私でも一人で見られました!ぜひご覧あれ!!
【追記】
M・ナイト・シャマラン監督の今作は、2012年の「アンブレイカブル」の続編だそうで、全3部作の2作目という位置づけ。2019年には3作目の「Glass(グラス)」公開とな!しかも今回のマカヴォイとアニャちゃんに加え、1作目のブルース・ウィリス(実は「スプリット」にも一瞬登場)とサミュエル・L・ジャクソンが豪華共演!楽しみ!!