2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

道草閑談第3号 -クルミの冬芽…そして父のコーヒーの話-

自然の中で、多くの生き物たちの中で、自分が、人間が取るに足らない存在だと知った時、植物も動物も人間もない、ただ他の命と共存していられる瞬間を嬉しく思う。いつ訪れるかもわからない死もあまり怖くない。生命たちの繰り返す営みの中に混ざれるなら。…

初夏、母への手紙

やぁ、元気ですか?今では母さんとすらLINE*ができるようになったけど、私が女子寮*の頃、「あなたは手紙を書くことを忘れなくてエライ!」と母さんに言われたことがあるので、たまには手紙を書きます(笑)キョリがあるからこそ、メールだけにならずに済ん…

私は不自然な存在だから、雑草のように死にたい

日曜日、晴天。 私は菜っ葉のハウスで、ナスやピーマンの横で、20~30センチほどに伸びた草たちをむしっていた。 久々に陽ざしをたっぷり浴びた草たちはいきいきしていて、再びどんどん空へ伸びていこうとしていたので、むしるのはかわいそうな気がしたけど…

いい風の日は、くるくるまわる

日曜日。 私は当麻町の実家の畑でくるくる回っていた。 真夏のように暑い日が続いた後、急に11度くらいまでしか上がらない雨とくもりの日が続いて(北海道の一部では雪も降ったそうな…)、寒いとたくさん着込んで体も丸まっちゃうし、しゃきっとしない。 だ…

道草閑談第2号 -父との初めての”二人暮らし”と、青大豆の話-

4人兄弟の長女であることを伝えると、「確かにしっかりしてるもんね」とか「落ち着いてるよね」とか言われる私にも、「姉」になった瞬間が確かにありました、あったみたいです。自分の事でありながら、どこか可笑しく、そして葛藤が生まれた瞬間の私を見つめ…

農家の娘だけど本当は何も知らない

私の両親は当麻町で(私が当麻小に入学するころ)新規就農しました。20年ほど前のことです。 物心ついたころから両親は毎日外で畑仕事をして、とれた作物を配達したり、作物を加工して販売したりしていました。 幼いころから、我が家で使っている調味料はほ…