初夏のうちのまわり

初夏…といっても低温と雨続きだけれど。

私が農作業できる日になるととたん雨が降る。雨女パワー健在。

 

雨の日の草木はいっそう香り濃く、緑も濃い。

うちのまわりの現在をお届けします。

 

↓これは自生のミツバ(実はある方から苗を買ったのに定植した後にミツバの群生地を見つけたのはナイショ…でもそちらも私の秘密基地ですくすくと育ってます☆

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↓自生のミント。バニラアイスとかに乗せてミントも食べるのが好き。

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↓田んぼに上る道。栗の木やホオの木の下に茂る葉っぱはほとんど木の赤ちゃん。周りの中くらいの木だって、20年前引っ越してきたときには赤ちゃんだったんだろうな。木の成長って意外と早い。

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↓すももの実の赤ちゃん。去年豊作だったから今年はどうかな。でもこのすももで作ったシロップはピンク色で本当においしいのです。

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↓桑の実。少し赤くなってきた。早いなあ。今年は虫(あとクマ)を恐れずたくさんとってジャムかお酒にする!

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↓赤みを帯びた小さな実はクルミ。めんどうだから、野生のクルミをとって食べることはほとんどないのだけどね。クルミは何というか、枝も葉のつき方も実のつき方もくっきりしてるよね。

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↓これ、エゾニュウ…かと思ったらちがった、オオハナウドでした。せり科。アリも大好きいい香り。ちなみにこの赤いアリはめちゃ狂暴。すぐにかみつきます。ハウスでたくさん巣を作っています。

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↓最後にサツマイモの芽。五郎島金時というイモをスーパーで買ってきて、土に埋めて水をやりながらずっとハウスに置いていたら元気な葉がにょきにょき出てきました。もう少しつるが伸びたら、路地に定植。朝晩寒くてなかなかなね~でも鹿児島から取り寄せたサツマイモの苗はすでに路地に定植していますが、この寒さを乗り切れるかな~秋に美味しいイモが取れたら、干しイモにするのだ!以上、近況でした

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田んぼとクラシック

 

恩田陸の「蜜蜂と遠雷」、それから赤石路代の「あるとのあ」を読み直してから、クラシックのピアノの曲をいろいろ聴いているのだけど

 

うちの畑、ことに田んぼは、なんてピアノが合うんでしょう

 

除草剤を使わないうちの田んぼでは、手押しの除草機と素手でひたすら雑草をとる。

今年田んぼとして新しく使い始めたところは、森のすぐ手前なので夕方になると部分的に木の陰になるけれど、木漏れ日を受けた田んぼがまたとても美しい。

ショパンバラード2番とか、ドビュッシの月の光を聞きながら除草機を押す時間は、かなり好きだ。

 

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星のような夢 星のような希望

 

3000キロ離れた所にいる弟たちのことをずっと考えていて

3年前もそうだったんだけど

自分がどうしたいのかもう一度考えている

 

今度は季節で、住む場所を変える日が来るかもしれない

 

冬の南の島でオクラでも栽培しながら

偶然会えるなんて日が来るかもしれない、なんて妄想して、少し笑った

 

私の中にある希望は、私の中にある夢は、まるで星のようだ

かすかに瞬いて見えるけれど

もしかしたらそんなものは本当は、ありはしないのかもしれない

過去の輝きにすがり続けて、光っているように見えるだけなのかも

 

でも私は知っている 高校生の時から

例えば誰かと目が合ったとき、一瞬同じ記憶をたどったこととか

めったに会うことのなくなった親しかった人が、今も同じ街で息をしていることとか

二度と会うことのないかもしれない愛する人が、同じ月を見ているかもしれないこととか

 

そんなささやかでかすかな希望が人を生かし

明日の朝また目を覚ます勇気を与えるということ

 

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私を生かすもの

 

Chainsmokersの「Something Just Like This」を聞きながら

考えていた 仕事の帰り道 青い空の下

 

毎日

生き生きとした緑と、虫たちの声、刻々と変わる陽ざしに包まれ

ミミズが住む土に触れ

まるで自分の子どものように野菜たちの成長する姿を見つめる

 

この生活が間違いなく心地よく

私の心に穏やかさをくれる

 

私はわかっていた

旭川の街なかで暮らした最後の冬

まばゆい希望のあとに、昼とも夜ともわからない絶望がやってきた冬

 

当麻の実家に帰り、生きるために畑仕事をすることが

カラカラに乾きゆく私の救いになるだろうということ

 

予想通り この生活は私に水を与え、栄養を与えていると思う

 

まるでこれは、点滴だ

 

私は、自分の生活を、畑仕事と接続することで、自分を生かしているのだ

あのまま街中にいたら途絶えたであろう栄養を自然から管でもらっている

 

ベッドに横たわったまま 焦点のあわない目で虚空を見つめている

 

点滴で生きながらえることはできるだろう

でも私に本当に必要なのは 私を前へと進める生きる希望なのだ

目をつむってたって 意識を失ってたって「生きる」ことはできるけど

顔を上げて 確かな意志をもって 前に進んでゆく

「生きる意志」が必要なのだ

 

畑仕事は好きだし、

畑仕事そのものに意義はあるし、

畑仕事や生活そのものが私に生きる意志を呼び起こすならそれでいいのだ

 

でもまだだめなんだ

 

あまりにまばゆかった最後の希望を失ってから

生きたいのかすらわからない

 

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いつも思うのに

 

母さんには母さんの、家族の想い方があって

 

父さんには父さんの、家族の想い方があって

 

じゃあ、姉ちゃんは、どうすればいいんだろう。

 

精一杯伝えているつもりだけれど、伝わっているかいつも不安で

3000キロも離れた場所ですることは

どこへ飛んで行ったかわからない紙飛行機みたいで

 

勝手に期待されて、勝手にがっかりされることは、

私だって嫌なのに

こんなに想って行動しているんだから

ちょっとは応えてよなんて思う私は

本当に図々しい。まだ愛情が足りない。やさしさが全然足りてない。

近くでやさしく見守る母さんにも、

遠くで黙って信じる父さんにも、

全然足元にも及ばない。

 

彼らは1ミリも助けてほしいなんて言ってない

ただ私が弱いから

心配でたまらないだけなんだろう

 

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たんぽぽの綿毛が舞う日

 

数日どんよりが続いた後の、久しぶりの青空の日。

気温が上がると、たんぽぽがいっせいに綿毛を飛ばしてた。

裏にある黒岩山に、雪が舞っているかのように見えた。

 

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それから、クマさんに気を付けながら山のふもとまで段々畑を登った。

やっぱり美しい畑だなあ。こんなところで生活という名の仕事ができることに心から感謝。

 

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本当はね

本当はね

私はとても幸せなの

 

朝起きれば鳥の声が聞こえる

仕事に向かう元気な身体がある

お昼に仕事から帰れば耕すべき畑がある

私が眠っている間にまた成長した作物たちが生き生きしている

太陽が山に隠れるのにあわせて仕事を終える

また次の日が来るまでひとりの自由な時間を過ごす

 

遠くに、近くに、愛すべき家族がいる

様々なカタチをした命たちがあたりまえのようにまわりで息づいている

家の裏には美しい美しい畑がある 山がある

昼のセミの合唱 夜に際立つカエルの唄 のどかな山鳩の声

この上なく幸福じゃないか

 

100%幸福なんてありえないし

100%絶望なんてこともない

 

本当はね

100%じゃないけど

私は幸せなの

 

ただ

聞きたかったことを

伝えたかったことを

話したい相手を失っただけ

 

ここは私の吐き出した言葉の墓場だ

手紙にして送ることができたら

そんな言葉たちをここに埋める

 

誰かに手を伸ばし あなたに思い馳せる時

今あなたに聞きたいことがいっぱい

溢れて 溢れて

 

木々が芽吹く 月日巡る

変わらない気持ちを伝えたい

自由になる自由がある

立ち尽くす 見送りびとの影

 

思い出たちが不意に私を 乱暴に掴んで離さない

愛してます 尚も深く 降り止まぬ 真夏の通り雨

 

夢の途中で目を覚まし 瞼閉じても戻れない

さっきまであなたがいた未来 たずねて 明日へ

 

ずっと止まない止まない雨に

ずっと癒えない癒えない渇き

              by 宇多田ヒカル真夏の通り雨

 

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