私の欲しいモノについて~「いまどきの若者は物欲がない」は当たり前の前提です。
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ずっと石垣島のレポートを書いてきましたが・・・
ある方のフェイスブックの書き込みに触発されて、「今の若者の―」なんてエラそうな話ではなく、私自身の、物欲について、欲しいものについて、書いてみたいと思います。
欲しい物を聞かれて言葉につまった学生たち
最近あったおもしろいできごととして、17~25歳くらいの若者数人が「今欲しいものはなに?」と聞かれたときに、誰もパッと思いつかなかった、ということがありました。
私は同じ質問をインタビューされる側として回答を考えながら、その状況を客観的に楽しんでもいました。
その若者たちとは、一緒に旭川市の情報誌「ライナー」の連載「ヤングライナー」で学生編集記者をやっているメンバー・・・つまり学生です。
雑誌も読めばテレビも見れば、同い年の友達たちと話をしたりショッピングもするでしょう。
けれども誰もパッと思いつかなかった。私たちはもうだいぶ打ち解けていたので、言い出せなかったのではないと思います。
もちろん紙面に使う話題なので、ちょっと時間がたてばぽろぽろと、「そう言えば・・・」みたいなかんじで「車」「本」などと出てくることにはきました。
私は内心納得がいったようにうなずきました。
私の感覚と、大してずれてない。
強いて言うなら、欲しいのは「ツール」と「情報」
目的のための手段として、ツールとしてほしいものはあります。
機能性の高いスマートフォンやノートパソコン。
それは多くの情報を得たり、スムーズに連絡をとったり、人と出会うための「ツール」です。
そして「情報」を得るためにはパソコン、インターネット環境、本、雑誌などは欲しいと思います。
新聞やテレビは、情報を得る手段としては、もう要らないかな。
「お金持ち」はカッコいいことじゃない。
そもそも私は、「お金に余裕がある人」をうらやましいと思うけど、「大金を稼ぎまくってる人」「お金持ちの家に生まれた人」なんかをうらやましいとか、カッコイイとは思いません。
そして「私たち」は、もしお金をたくさん持っていたとしても、それを見せびらかすことは「カッコ悪いこと」と感じるのではないでしょうか。
必要以上のお金を求める人はたいてい汚職をしたり、ウラで悪いことをしていたりする、そんなニュースにうんざりしている。
「お金にまみれる」=「汚い」みたいなイメージがあるのかな?
もちろん、お金はあるにこしたことはない。
財布の中身を気にせずに買物できたらいい。
そんなふうには思っても、あくまでリアルな生活ベースに、お金は「不安にならない程度にあったらいいな」と思う程度なのです。
「欲」はあるけど、「物」欲じゃない。
じゃあ私は何が欲しいのか?
それは一言で言うと「平和な暮らし」です。
言葉にすると、戦火にさらされる国の住民みたいですが(心理的にはそうなのかな)
平和な暮らしとは、大事な人が笑っていて、健康に暮らせること。
大事なものがよくわかっていて、必要なときには何よりもそれを最優先できる生活。
今回、家族と過ごすことを最優先に石垣島に滞在してみて感じたことでもあります。
家族の笑顔が見れればいい。家族が幸せに暮らしていてくれればいい。
少しでも涙が乾けばいい。自分に納得して生きていてくれればいい。
そして、旭川に残してきた大切な人たちが今日も笑って1日を終えてくれれば・・・
私は自宅から最低限のもの(スマホ、パソコン、服など)しか持って来ていませんが、ふだん自宅で私を囲んでいた物たちがない状況で、私の欲求はとてもシンプルになっていきます。
私の心を本当の意味で潤すものは、大事な人たちの幸せでした。
「バブル」って何それ、ファンタジー?
私たちが生まれたときから日本は不景気でした。
そんなこと子どものころは知らなかったけど、知らなくても私は「うちはお金がない」ことを知っていました。
それは、不景気とはあまり関係がないことなのですが、とにかく学校で絵の具セットを買わなきゃならないとか、修学旅行でいくらかかるなんてことは、親に言いづらかった。
そんな家庭はほかにもたくさんあったと思いますが・・・
「お金がかかることは悪いこと」のような気がしていたし、常に私の家は「お金をかけずにすむ方法」を考えていました。
私はさいわい、愛情いっぱいに育てられ、何が幸せなことか、自然に教えられながら今日まで来ました。
お金で物や便利なサービスを消費すること以外の幸せを、子どものころから肌で知っていたのです。
きっと私の欲しいものは、あの光景なんだろうなあ。
そしてそれは決して、手の届かないところにあるわけじゃないのです。
「いまどきの若者は物欲がない」について
私たちは、「明日をも知れない生活の苦しさ」を知らないし、「稼ぎまくっていい思いをする」なんて夢物語も見たことがない。
私たちは子どものころから、生活に必要なものは棚がストックでいっぱいになるほど家にあって、両親はそれぞれ自分の車を持っていました。
テレビ・ゲーム・マンガ・ネット・ケータイと暇をつぶせる娯楽も死ぬほどありました(私の家はテレビとゲームはなかったけど)。
それは「良いか悪いか論」ではなくって、そういう時代に生まれました(もちろんその時代は私たちがつくったのではなく、前の世代が血と汗を流してつくってきました)。
そんな中で、個々の趣味や嗜好はあっても、本当の意味で自分を満たし幸せにしてくれるものは、物でもお金でもなくなったんだと思います。
こんなことはいろんな人が語っているので改めて言う必要はないと思うのですが、あたかも今の若者が前の世代と同じ時代を生きているかのように並列にされて語られることがとても多いので、言葉にしてブログに残しておきたいと思います。
「いまどきの若者は物欲がない」は新事実なんかじゃなくて、明々白々の今の時代の前提です。
そして今の若者は、物でもお金でもない、自分を満たす何かを、まだ模索し続けています。
固定観念や「常識」にとらわれず、自分の心の声に素直に耳をかたむけたとき、それが見つかるんだと思います。