季節の覚え書き(7月)

前回の記事にも関連することだけれど、私は観賞用の園芸というものにはとても疎くて、花壇を飾るような花の名前はあまり知らないし、きれいだとは思うけどなぜかあんまり親しみを持てない。見ていてホッコリしないというか。

 

でも野の花や木々ならいくらでも見ていられる。調べたくなる。そして日々の生活に活用したくなる。

 

7月17日(月)の季節の進み具合をここに書いておこうと思う。

 

  • オオハンゴンソウの蕾がたくさんついていた!(この記事を書きたくなったのはこれを発見したから)これが咲いたら一面黄色になるよ(外来種だけど)
  • ドクダミの白い花が最盛期(摘み取った茎の匂いは正直くさい)
  • ハウスのトマト、ニンジン、カボチャ、枝豆が採れ始める
  • みつばちファームのオカヒジキ初収穫
  • スモモの木のとなりにサクランボの木があることに気づく(たぶん1本しかなくてあまり着果しないのかな。もう1本植えてみようかな)
  • 栗の花が咲いて落下する
  • クルミの青い実がだいぶ膨らんでいる
  • ノコギリソウのピンクの花が咲いた
  • オオウバユリの花が落ちた
  • 桑の木は、赤い実と黒く熟した実が半々(今年はめっちゃ実がついてる!)

 

これが7月半ばのうちの周りの様子。

家から畑に向かう道は、栗の木の下を行く地面の道と、アスファルトと2つあるのだけど、どちらを歩く時も私はキョロキョロ周りを見回している。

木の赤ちゃんがたくさんあるな。何度刈り倒したか分からない草がまたすっかり元通りだな。桑の実が食べごろだな。これから青い小さい栗の実(イガ)がつきはじめるな。あのドクダミはどうやってお茶にするのかな。クルミを拾って乾燥させて食べたいけれどちょっと採りづらい場所だな。いつの間にオオハンゴンソウの蕾がついてる、夏もピークに向かおうとしているな。そんなことを延々考えながら畑へ向かう。

 

わざわざ花壇を作らなくても、植物たちの移り変わりを見ていられる場所に住めて本当によかった。

 

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↑写真は今日収穫したオカヒジキ。いつもお店で買っていたものを収穫できるしあわせ。

ミツバの花とゴボウの花

畑にいるときはたいてい手が汚れていて、ついつい写真を撮りそびれちゃうのだけど、今日はちゃんと記録しました(スマホのカメラだけど)。

じゃがいもの花とかトマトの花は見たことあっても、なかなかミツバの花やゴボウの花って見る機会ないんじゃないかな。

 

↓これはミツバの花。ちょっと、画質が…orz

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白い小さな花でした。調べると、日本では水耕栽培が多いみたい。野生のものは栽培されているより大きく、旬を過ぎると葉がゴワゴワしています。茎も太くて、スーパーで見るような透きとおった感じとはまた違う。野生のものってなんでもそんな感じがします。

 

↓こちらはゴボウの花。あれ、まだつぼみだった… 見ての通り、どうやらアザミのような花が咲きそう…とげとげです。武骨で素朴なゴボウさんとはまた違う印象ですね。これを引っこ抜いたらゴボウがあるなんて不思議…!

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このゴボウは、私が気まぐれに昨年畑のすみに蒔いた種が、多年草ゆえに定着してくれたらしい…多年草ってホントすばらしい。ほっといても毎年出てきて、思い出したときに取りに行ってすぐに食べられる。あーしあわせ。

 

”あなたが守った街のどこかで” 宇多田ヒカル『桜流し』

 

青森に向かう夜中の新幹線の中で、私は、私の見えている世界を部分的に共有してくれている、数少ない友人に、メールを打った。自分の、その時の状況をかいつまんで。それは今年の冬のこと。

 

後から知ったのだけれど、その友人は、寝たきりになっていたおじいさまを見送ったばかりで、お通夜やお葬式などの一連のことが終わってやっと一息ついた夜のことだったのだという。

 

友人は私のメールを受け取って、おじいさまのことは一言も言わず、自分も大変だったのに、私を励ます言葉をくれた。

 

私は、心細さと、不安と悲しみと戸惑いがごちゃ混ぜになった状態でいたけど、その友人と丁寧に言葉を交わしあったことで、妙に色々なことがはっきりと腑に落ちたのだ。

 

私の旅は、ただ自分の気を済ますためだけのものになるだろうこと。本当の目的は、願いは、果たせるわけはないこと。でもこのたびが無事終わったからって、気が済むわけもないってこと。目を背けたくて仕方ない”希望のなさ”を、はっきりとつきつけられて旭川に帰るんだろうってこと。

 

私はそれから毎日問いかけている。

あなたの人生を脅かす、私という存在を消去した世界で、あなたは思い通りの日々を、心穏やかに暮らせていますか。

 

Everybody finds love in the end

もう二度と会えないなんて信じられない

まだ何も伝えてない

まだ何も伝えてない

 

開いたばかりの花が散るのを

見ていた木立の遣る瀬無きかな

 

どんなに怖くたって目を逸らさないよ

全ての終わりに愛があるなら

 

by 宇多田ヒカル桜流し

 

私の世界もいたって穏やかだよ

どんなに苦しくたって乗り越えてみたいと思った山はもうないから

 

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私の畑、2代目みつばちファーム

みつばちファームとは、母と弟たちが石垣島に行く前に我が家の敷地のはじっこでやっていた小さな畑のこと(私は高校で忙しかったり大学では女子寮に入ったりしていたから、何を植えていたか全然知らない。次に石垣に行ったら聞いてみよう)。

 

荒れ放題になっていたその畑(でもゴボウが自生したりしている)を、父さんにトラクターでおこしてもらって、今年からは私が自由に使える畑になった。そんな私の畑の紹介を少し。

 

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広さは6平米くらいかな。左の支柱で支えているのは父さんがハウスで植えるのをやめたサヤエンドウ。

右の白いパオパオがかかっている中はサツマイモ。定植が遅かったから、寒くなる前に間に合うかなあ。

サツマイモのすぐ左は青シソ。その隣はバジルやエンサイがポツポツと。

奥はオカヒジキとモロヘイヤ、つるむらさき、長ネギです。

苗ができた順に植えていく、というなんとも計画性のない畑。知らない人が入ったら絶対に作物を踏んづけてしまうであろうわりと背の低い野菜ばかり。

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↑モロヘイヤの苗(定植前)。まだまだ食べるには時間かかりそう。ねばねばモロヘイヤ丼を早く食べたい…

 

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つるむらさき。他の株は動物に食べられてしまって、無事なのはこれだけ。そんなに美味しかったのね…。ということで撒きなおして、次はハウス内に植えます。

 

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↑サヤエンドウ。なんだか実(サヤ)が硬くて、いまいちなんだよなあ…

 

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↑青シソ。シソとバジルは本当に順調に育ってくれます。香りが強いためか動物も食べない。

 

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↑サツマイモ。Amazon使って鹿児島から取り寄せた苗を植えたもの。掘るのが楽しみだなあ。干しイモを作るんだ~

 

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↑これがオカヒジキ。見た目は陸(おか)のひじきだけど、食感は茎ワカメです。もうう少し大きくなったら若芽から食べます。

 

以上、ざっと私の畑のご紹介でした。最終的に収穫がうまくいってもいかなくても、色々なことを教えてくれる畑です。小さくても土地があって、食べたい野菜を育てられるって幸せだなあ。

 

ということで母さんよ、弟たちよ、姉ちゃんはしっかり2代目がんばります。

 

 

トマト電車の車窓から

 

ちょくちょく気温が30℃前後になるようになった上川。ハウスでの作業は暑さとの戦いです。でも北海道のすばらしいところは湿気が少ないところ。開けられるところはすべて開け放ったハウスに通る風は、とても爽やかで暑さを冷ましてくれます。

ダラダラと汗を流しながらトマトのわき目取りと吊り直しをしている最中、風が吹いてくると、私はついついハウスのすきまから腕や顔を出します。そんなとき、私は電車に乗っているような気分になります。鉄骨と黒いバンドで仕切られた電車の「窓」。軽やかに駆け抜ける電車の車内には、涼しい風が吹き込んでくる…そんな気分になります。窓からは、となりの電車と、その中にいる野菜たちが見えたり、木々や山々が見えたりします。

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7月も中盤に近づき、我が家の敷地にたくさん植わっている栗の木は、白い花をつけました。今年も風を受けて、波のように揺れています。トマト電車の車窓からは、そんな栗の海も見渡せます。北海道、夏本番です。いちばんいい時期です。

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去年の今ころの記事です↓

asahana.hatenadiary.com

 

みどりの宝石

真っ赤に熟したトマトをルビーに例えたりすることもあるけれど、色づく前の青い実も、本当に美しいんです。お日さまを浴びて、赤く色づく日を夢見てつやつやと輝く青いトマト、ご覧あれ!(写真はフィルターなし・加工無しです)

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アライグマちゃん、お願いだから食べに来ないでね…(; ;)グスン

 

 

花壇のない家の花畑

みなさん、苗や種を買ってきて、マリーゴールドやらパンジーやら、色々と配置を考えてお庭をつくってますよね。

我が家では、お庭や花壇のあるほかのおうちのように、花を植えていません。

でも、うちは今、いろんな色のお花でいっぱいです。

みなさん、スーパーに売っている野菜の、花って、見たことありますか?

 

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↑これはじゃがいもの花。じゃがいもって、いもをとっておいて、そこから芽を出させて栽培するけれど、花が枯れて種ができて、種からも育てられるらしい!じゃがいもの種なんて考えたことなかったから驚き!今年は種も採ってみたいな。

 

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↑これはわが家の主役とも言うべきトマトの花。たくさん花がつけば、実もたくさんつくかな~と期待が高まります。でも身も無事に育つまでにはいろんな困難があります。

 

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↑ナスの花。茎も葉も花も、ナスの色。

 

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↑シシトウの花。ピーマンも似ています。

 

さて、ここまでの、じゃがいも、トマト、ナス、シシトウの花って、色は違えど何となく形状が似ていませんか?(特にシシトウ以外はみんな5つの角があって星形っぽい)

この4つはみーんなナス科なんです。植物って、深く付き合うようになると、細かな特徴を知っていくのも楽しい。じゃがいも、トマト、ナスはナス科ナス属だから花もそっくりらしい(シシトウはナス科トウガラシ属)。

 

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↑白花豆の花。白あんになるお豆ですよ。サヤエンドウとか、インゲンとか、みんなこんな花の形。蝶形花というらしい。お豆を食用する野菜以外だと、ニセアカシアという甘い香りの花をつける木や、白や紫の房状の藤の花や、秋の萩なんかも、同じような形の花がついて、やっぱりマメ科なんだな。おもしろい~

 

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↑これはズッキーニの花。たぶん男の人の手のひらより大きい花をつけます。1つの株で、軽く私が寝れるくらいの面積まで放射状に枝を伸ばします。

 

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↑カボチャの花。ズッキーニよりは控えめなサイズです。我が家では、便利なミニカボチャ(「坊ちゃん」など)しか作ってません。

 

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チンゲンサイの花。成長が進んで、私たちがおいしく頂く葉っぱは硬く筋っぽくなり、薹(とう)立ちして花を咲かせ、種を付けます。

大根、かぶ、ハクサイ、キャベツ、水菜、みんなアブラナ科で、同じような感じで花をつけます。ハクサイとかキャベツとか、葉っぱが玉状に巻いてある野菜の中心部から、パッカーン!と花を咲かせる姿はちょっと、おもしろいような、グロテスクなようなかんじがします。「キャベツの花」でググってみるとおもしろいですよ。

ちなみに「菜の花」はアブラナ科の花の総称。大根の花も、チンゲンサイの花も、「菜の花」です。今年は大根の花(しかも種が落ちて自生していたもの)をゆでて食べましたが、大根の味でした!

 

うーん、知れば知るほど楽しい植物の世界。最近はこんな本をフムフムと読んでいます(表紙から、「木は理論上何メートルまで大きくなれるのか?」という面白い問いで始まります)。