失っても同じ星にともに暮らしている―『2001年宇宙の旅』『ベイビー・ドライバー』『イントゥ・ザ・ワイルド』

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いい映画を立て続けに見ている。

 

今日はSFの不朽の名作と言われる『2001年宇宙の旅』。

「地球に帰る」というような表現で、人類が当たり前のように宇宙やほかの星を行き来するようになったら、国家の概念はいっそう薄まり、「みな同じ地球人」という感覚が生まれて争いをやめるのかな、と考えた。でも今度は違う星の住人との争いが始まるのか…

個人的に、祖先である猿人がずっとウホウホ吠えている、人間の「セリフ」の全くない最初の数十分で、すっかりやられてしまいました。

 

昨日は『ベイビー・ドライバー』。見ていて気持ちいだけのハデなカーアクションものかと思いきや、それだけじゃなくていい意味ですっかり騙された。

たぐいまれなるドライビング・センスを持つ無口な青年ベイビーが、意に反して裏社会へ引きずり込まれそうになりながらも、耳の聞こえない里親や、恋してしまったウェイトレスの彼女を守るため戦う(アガる音楽を聞くとベイビーは強くなる!)…ストーリーはわかりやすく王道をいっているけれども、リアリティもちゃんと(たぶん)ある爽やかなラストにホッとして見終われる心温まる映画でした。多くを語らずとも目や行動で語るって、素敵なことですね。見習いたい…

 

その数日前は…もうこれは今まで見た映画でベストなんじゃないだろうか…『Into The Wild』。

私の世界への興味がどんどん深まっている。そんな中でこんな愛おしい物語に出会ってしまった。数行で語るには、私の理解も深まっていないし、映画を見直して、さらに原作も読んでからこのブログに改めて感想を書きたい。

とにかく心に焼き付いたのは、たった一人アラスカの荒野へ向かったクリスの、厳しくも美しいありのままの自然を捉えた瞳…。なんてなんて、美しく愛おしい心だろうか。

 

 

たくさんの素晴らしい映画たちが教えてくれるように、世界は今私がいる「ここ」だけじゃないのに、世界から見たらほんのすぐそこにいる「あなた」がこれほどまでに遠い。天気が良ければ対岸が見えるような、ちょっとした海を隔てただけなのに…。

 

でも……

 

でも。

 

同じ星に暮らしているよね。同じ世界に。

 

ただそれだけのことで…心は離れても、あなたはやっぱり私の中にいるのだ。

 

例えばいつかクリスのような、帰らぬ孤独な旅に出た時、美しいものや怖いものを見たことを、あなたに聴いてほしくて、語りかけるだろう。寂しさを紛らわせたくて、あなたに向けてひとり言をつぶやくだろう。そしてあなたの応答を想像しながら歩く。それだけで、次の一歩を踏み出し続けることができる…ような気がするんだよ。

 

 

さて、明後日から一週間、沖縄です。行ってきます。

 

映画『SPLIT(スプリット)』~「解離性同一性障害」を演じるマカヴォイの凄さ

コンテンツにしないのはもったいないと今さら気づき、映画を見た後はなるべくブログを書こうと思います。

 

TSUTAYAで借りようかと思ったらAmazonプライムに追加されていて早速見ました(TSUTAYAで借りたい映画があったらまずプライムにないかチェック!せっかく会費払っているのだから無料で見ない手はありません笑)。

 

X-MENでチャールズの青年期を演じたジェームズ・マカヴォイは、この映画「スプリット」(「split」直訳は分裂)で23人の人格を持つ解離性同一性障害者(おそらくオリジナルの人格の名前は「ケビン」)を演じます。

 

23人の人格の中には女性もいれば9歳の子どももいるし、理性的で知的、すべての人格の手綱を握る人格や、狂暴な人格もいます。23人すべてが登場するわけではありませんが、ひとつの身体に宿ったそれらの人格が、一瞬のうちに入れ替わるのを、そして入れ替わる間の苦痛と戸惑いの表情も含めて、見事にジェームズ・マカヴォイが演じ分けています(顔の筋肉の力の入り方や、眉で表現される穏やかさ、優しさ、凶暴さ…もう見事です。観客に5つの人格の特徴をすぐにつかませます)。

 

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27歳、不安はないけど自信もない

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昨日は、4ヶ月に1回開催しているイベント「パワーアップカフェ」当日であり、27歳の誕生日でもありました。このイベントでは、2018年に入ってこのブログに書いてきたことを、初めて対面で多くの方(しかも初対面の方ばかり)に話す機会となりました。

 

そんな機会が誕生日当日であったということは、なんだかとても意味のあることに思えて、今までのいくつもの誕生日のことなどほとんど記憶にないけれど、今回のことはずっと覚えているんじゃないかなーと思った。

 

ある方に、「あなたの生き方は、孤独ではないのか、不安はないのか」と聞かれました。私は、孤独感はずっとあるけど、この選択に不安はない、と即答しました。

 

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2018年2月の私の本棚

 

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2018年2月、私の脳内はいったいどんなことになってるのか―そんなことが垣間見える、最近借りた本&買った本。どうも、世界旅行と、多様な働き方、それに世界の未来みたいなものに、興味があるようですな笑

 

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ひとりである と知る ~映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』を見て

 いまさらながら映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』を見た。

 あの映画を見るときっと、親が死ぬときのことを、否が応でも考える。

 自分の価値観や、軸みたいなものを築いた人間が、この世からいなくなる。たとえ兄弟がいても、どこか、ひとりぼっちになったような気分になるんじゃないかって、想像しきれない頭で想像してみたりする。ちょうど、『キッチン』(吉本ばなな著)のみかげちゃんのような気持ち。ひとりぼっちになったようで、悲しく、寂しいけれど、心が静かで、手放しで「自由なんだよ」と言われたような気持ち。何も持たず、宇宙に放り出されたような気持ち。

 

 よくよく考えてみれば、親が存命であろうがなかろうが、人はひとりなんだった、と思い出す。すっかり忘れていた。何かが忘れさせてくれていたのか。

 

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はじまりで終わりの今日

おせっかいなGoogle Photoが去年の今日何をしていたのかを鮮明によみがえらせてくれる。

 

でもそんなことしてくれなくたって忘れようがない思い出っていうのはある。

 

1週間以上前から、ラジオでは札幌雪まつり旭川冬まつりの情報が飛び交っていた。

 

でもそんなことしてくれなくたって忘れようがない思い出っていうのはある。

 

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世界を見たい、人間を知りたい

こんなツイートをした。

私は「未来に備えなきゃ」と思いすぎて、未来を全く気にかけないとしたらどうしたいかを考えることがヘタになっていた。

 

「正義」は、当たり前のごとく正しすぎて、それ以外の答えは許されないような息苦しさを感じるけれど、個々の人間にとって、大事なことがそれぞれ異なるのは当然のことだ。

 

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